中小企業のためのNotion活用術【顧客管理編】Notionで始める顧客管理のデジタル化中小企業において、顧客情報や商談内容の管理は業務の効率化と顧客満足度向上に直結します。特に中小企業では顧客と担当者との距離が近いことが多く、その距離感がより良いサービスを生み出しています。一方で、その内容は属人化しやすく、社内に情報が溜まりにくいという企業の方も多いのではないでしょうか。このような顧客情報は、CRMと呼ばれる顧客管理システムにより管理されるのが一般的です。ところが、CRMサービスは多くあるため、その選定は難しいこともありますし、運用もうまくいかずに費用対効果がよくわからない、ケースも見受けられます。簡単に始めるためには従来のExcelベースの管理が最初の選択肢となりますが、これは情報の分散や更新漏れが発生しやすく、業務の非効率化を招く一因となります。そこでおすすめしたいのが、オールインワンの情報管理ツール「Notion」を使った顧客管理です。Notionは無料で始めることができますので、「まずはどのような効果があるか試してみたい」という方にはピッタリです!少し大変ではありますが、データベースの基本的な使い方を理解することもできるので、社内のIT教育の一環としても良いと思います。なお、この記事はNotionの基本的な使い方をご存知の方向けの記事になります。基本的な使い方を知りたい方はこちらをご参照ください。https://www.studiokaren.co.jp/blog/how-to/20230525_408.htmlhttps://www.notion.com/ja/help/writing-and-editing-basics顧客管理ページの作成まずは、ページを作成します(ここでは「顧客管理」というページにします)。1. 企業DBの作成顧客管理ページ内に、取引先企業の情報を管理するための「企業データベース」を「データベース:フルページ」で作成します。このデータベースには企業としての情報をまとめることになります。例えば以下のようなプロパティを設定しましょう。企業名:取引先の正式名称業種:製造業、卸売業、小売業など所在地:住所や地域電話番号:代表番号メールアドレス:代表メールWebサイト:企業の公式サイトURLこれらの情報を一元管理することで、取引先の基本情報を迅速に把握でき、業務の効率化が図れます。2. 担当者データベースの作成と企業データベースとのリンク次に、各企業の担当者情報を管理する「担当者データベース」を作成します。以下のような基本的なプロパティを設定しましょう。氏名:担当者のフルネーム職場:支店名など役職:部長、課長、担当者など電話番号:直通番号や携帯番号メールアドレス:業務用メールアドレスさらに、例えば雑談のなかで把握した趣味などを加えるなどの工夫をすると、より価値のある情報となります。さて、ここからがポイントです。新しいプロパティ(プロパティ名は所属企業とします)として、企業データベースとのリレーションを作成します。所属企業:「企業データベース」とのリレーション「所属企業」のプロパティで企業データベースとリレーションを設定することで、担当者と企業の情報を相互に参照できるようになります。これにより、担当者情報から企業情報へのアクセスが容易になり、情報の整合性が保たれます。このリレーションを上手に活用することが、Notionで情報を管理するコツになります。3. 案件データベースの作成と連携次に、商談の進捗や見積もり金額を管理するための「商談データベース」を作成します。以下のプロパティを設定しましょう。商談名:案件の名称進捗状況:リード、提案中、交渉中、受注、失注などのステータス管理納期:進行中になったら納期を入力します残り日数:「数式」を活用して納期までの残り日数を計算します企業:「企業データベース」とのリレーション担当者:「担当者データベース」とのリレーション見積金額:提案や見積書へのリンクなど担当者や企業とのリレーションを設定することで、商談情報から関連する担当者や企業の情報を即座に確認できます。また、進捗状況をボードビューで管理することで、商談のステータスを視覚的に把握することができます。4. 議事録データベースの作成最後に、各商談の議事録もまとめておきましょう。会議や商談の内容を記録する「議事録データベース」を作成します。例えば以下のようなプロパティを設定しましょう。会議名:会議や商談の名称日付:開催日先方参加者:相手企業の参加者の名前。担当者データベースとのリレーション企業名:企業データベースとのリレーションアクションアイテム:次回までの課題やタスクこうすることで、特定の商談に関連する議事録を一覧で確認できます。これにより、過去の会議内容や決定事項を簡単に参照でき、情報の蓄積と活用が可能になります。Notionで実現する顧客管理の効率化今回は、Notionで顧客情報を管理するための基本的な機能についてご紹介しました。Notionを活用することで、企業情報、担当者情報、商談情報、議事録を一元管理し、相互にリンクさせることができます。これにより、情報の整合性が保たれ、業務の効率化が図れます。また、進捗状況の可視化やアクションアイテムの管理も容易になり、チーム全体での情報共有がスムーズに行えます。中小企業にとって、Notionはコストを抑えつつ柔軟な顧客管理を実現する強力なツールと言えるでしょう。皆様もぜひお試しください!