現場に合わせて使える柔軟性が決め手!信州のラーメンチェーン「テンホウ」の食品工場がアニマルオフィスを選んだ理由。
長野県のご当地ラーメンチェーン「テンホウ」を展開し、自社工場で餃子や麺、スープなどを製造する株式会社テンホウ・フーズ様。店舗への食材供給を支える受発注・在庫管理の仕組みづくりに向け、アニマルオフィスを導入しました。現場に合った入力方法を活かしながらデータを集約し、発注金額の約7割をアニマルオフィス経由に移行。導入を推進する中山将司様のお話から、選定の経緯と段階的に進める業務改善の取り組みをご紹介します。

抱えていた課題
工場で製造した食材や仕入れた商品を店舗へ届けるテンホウ・フーズ様では、店舗からの注文をExcelで受け取り、仕入先への発注には電話などを使っていました。扱う商品は最大で約130〜150品目にのぼり、冷凍・冷蔵・常温と保管方法もさまざま。出荷準備も前日に用意するものと当日に用意するものに分かれるため、受注内容をひとまとめに扱うだけでは、棚に残っている在庫と、すでに取り出した商品を正しく把握しにくいという課題がありました。
目指していたのは、工場の入出庫を把握し、在庫や原価を数字で確認できる環境です。中山様は以前にもExcelや別のシステムで管理の仕組みづくりに取り組んだものの、求める在庫管理の運用に合わず、2度断念した経験がありました。また、現場では使い慣れたExcelの入力画面が業務に合わせて整えられており、その使いやすさを保ちながら情報を集約する方法も必要でした。

アニマルオフィスで解決しようとしたこと
まず優先したのは、仕入先への発注と在庫管理をつなげることです。商品の分類や倉庫ごとに必要な情報を絞り込み、在庫を確認しながら発注できる状態を目指しました。欠品を防ぐために確保しておく安全在庫を発注数量に反映することや、ロケーションごとにピッキングリストを分けることなど、工場の実務に即した要望を一つずつ整理していきました。
その際に重視したのが、アニマルオフィスを業務データの集約先として使える柔軟性です。現場で使う入力画面や自社で作るアプリと連携させ、受発注や棚卸しの情報を集める設計を採用。まず発注と在庫管理を整え、そこから受注、生産、原価管理へと対象を広げることで、工場全体の物とお金の流れを把握していく構想でした。
導入にまつわるエピソード
デモとトライアルで評価されたのは、画面の分かりやすさと動作の速さでした。中山様は、操作したときの動きが直感的に分かり、読み込みの待ち時間も少なく快適だったと振り返ります。選定に同席した生産管理・SCM構築アドバイザーの飯島様も、開発を担う代表者と直接話せることや、顧客の業務を起点にした提案、対応のスピード感と熱意を評価。トライアル中に見つかった具体的な要望を相談し、対応方針を確認しながら導入を決めました。
導入後も、実際の業務に合わせた工夫を重ねています。その一つが、APIでアニマルオフィスのデータを取得する自社の在庫管理アプリです。現場で何度も画面をスクロールしなくて済むよう、数量を入力して次の商品へ進める画面を用意。現場が使いやすい画面を自ら作り、管理に必要なデータはアニマルオフィスにつなぐという形で、少しずつ利用範囲を広げています。

導入した成果
定量面: 記事公開時点で、仕入先への発注は金額ベースで約7割がアニマルオフィス経由に移行しました。相手先に合わせてメールとFAXを使い分けながら、主要な仕入れの発注をシステム上で扱えるようになっています。残る取引先には電話での対応もあり、引き続き移行を進める段階です。
定性面: 商品などのマスターデータの整備が進み、日々の出荷データをエラーなく取り込めるようになりました。さらに、APIで連携した在庫管理アプリが動き始め、現場の使いやすさを保ちながら在庫を確認する仕組みが具体化しています。一方、生産に伴う原材料の動きまで反映して理論在庫と実在庫を合わせるには、まだ整備が必要です。
中山様は、外部の仕組みとつなげられるデータベースとしての価値を感じており、発注から受注、生産へと業務をつなぐ土台ができつつあります。
今後期待すること
次の目標は、仕入れによる入庫と販売による出庫を把握したうえで、生産時に使う原材料の管理までつなげ、在庫と原価をより正確に見られる環境を目指しています。生産機能の試用も始まっており、餃子1粒あたりの原材料をグラム単位で扱うための細かな数量管理や、ロット・賞味期限の管理にも期待を寄せています。
外販の拡大に向けては、Shopifyを使った業務用ECの構築も検討中です。オンラインで受けた注文をアニマルオフィスに取り込み、販路が増えても情報をまとめて扱える体制を描いています。自社工場の製造力を活かして食材を届ける先を広げながら、その成長を支える管理の仕組みも、一歩ずつ整えていきたいと考えています。
企業概要

株式会社テンホウ・フーズ
1956年創業、1973年10月設立。長野県諏訪市に本社・工場を構え、ご当地ラーメンチェーン「テンホウ」を展開する。餃子やラーメン、定食などの食材製造と直営店舗での販売に加え、フランチャイズ店舗の支援、飲食店への食材提供、通信販売、スーパーなどへの卸売りを手がける。
企業の特徴
テンホウ・フーズの特徴は、食材の製造から店舗での提供までをつなぐ体制にある。本社工場で仕入れや仕込みをまとめ、温度管理のもと各店舗へ配送。工場と店舗で調理を分担し、味の安定と手に取りやすい価格の両立に取り組んでいる。
代表的な商品・サービス
主力は、自社工場で作る餃子や自家製麺を使ったラーメン、定食など。独自の配合による餃子や、チャーシュー、キムチといった商品づくりにも工夫を重ねる。店舗での食事に加え、通信販売や飲食店・小売店への食材供給を通じて、テンホウの味を届けている。


この記事を書いた人
小野 真彰卸・専門商社向け販売管理システム「アニマルオフィス」を開発する株式会社mobの代表。業務課題の解決に取り組むのが大好きで、エンジニアとしても活動しています。ビールを飲まないのに最近痛風になりました。