1ヶ月で「スプレッドシート」を卒業!多品種・小ロットのアパレルOEMが、DXに成功できた理由。
Tシャツプリント・刺繍加工のクリエイティブスタジオ「BLUEST」を運営する株式会社おさと様。OEM・ODM・自社直販と多様な業態を抱え、複雑な単価設定や膨大なSKU管理をスプレッドシートで運用していたことに限界を感じていました。アニマルオフィス導入の経緯を、共同創業者である長澤拓憧さまにお話をお伺いしました。
抱えていた課題
導入前は、業務管理のほぼすべてをGoogleスプレッドシートとLINEグループで運用していました。OEM・ODM・自社ブランド直販と販売形態が多岐にわたるため、案件ごとに仕様や単価がロットや加工内容で大きく変動し、既存のパッケージ型システムでは対応しきれない状況でした。
6名全員が担当顧客を持ち、全員が請求書を作成する体制のため、計算ミスや請求書の商品表現のばらつきが常態化。さらに、Tシャツはメーカー・品番・色・サイズとSKUが膨大で、在庫管理や発注管理も属人的な運用に頼らざるを得ませんでした。創業メンバー3人なら感覚で回せていた業務も、未経験者が加わると再現が難しく、組織としての成長に限界を感じていました。
アニマルオフィスで解決しようとしたこと
最大の目的は、複雑な業務フローの一元管理です。案件ごとに異なる単価設定、原価構造(インク量やプリント手法で変動する原価、卸値と上代の混在)を正確に管理し、全スタッフが統一されたフォーマットで受注から請求までを完結できる環境を求めていました。
フルスクラッチ開発では予算が合わず、かといって一律的なパッケージでは汎用性がスプレッドシート以下になってしまう。その中間、つまりパッケージの手軽さとカスタマイズの柔軟性を両立できるシステムとして、アニマルオフィスに期待を寄せました。属人的な業務を仕組み化し、誰が入っても再現できる体制づくりが根本的な狙いでした。

導入にまつわるエピソード
きっかけは、BLUEST様と取引のある共通の知人からの紹介でした。業態を理解した上での推薦だったため、まずは話を聞いてみようという形でスタート。その後、オンラインで3回ほどミーティングを重ねましたが、印象的だったのは「一方的な製品説明ではなく、徹底的にヒアリングしてくれた」こと。
業務内容が複雑で噛み砕きにくい状況にもかかわらず、「下手するとうちのスタッフより商品に詳しいんじゃないか」と感じるほど深く理解した上で、「うちで解決できます」と自信を持って提案してくれた安心感が決め手になりました。ITに強くないメンバーが多い中、その親身な姿勢に「乗っかった」というのが正直な気持ちだったといいます。

導入した成果
定量面: スタッフ全員への講習会実施後、約1ヶ月で業務が定着。それまでスプレッドシートで管理していた業務をほぼ一元化でき、「スプレッドシートの卒業」を実現しました。6名全員が作成する請求書のフォーマットが統一され、計算ミスや表記のばらつきが解消。同業他社と比較しても導入コストは安価で、「こんな安くて大丈夫かな」と感じるほどのコストパフォーマンスです。
定性面: 操作画面のシンプルさと視認性の高さにより、ITに不慣れなスタッフでも直感的に使いこなせています。膨大なSKU(メーカー・品番・色・サイズ)の在庫管理・発注管理も紐づけて運用できるようになり、社内の混乱が目に見えて減少。未経験者でも業務を再現しやすい環境が整い、属人化からの脱却が進んでいます。振り返りもしやすくなり、経営判断のスピードが上がりました。
今後期待すること
現在進めている沖縄でのTシャツ店舗出店により、製造だけでなく実店舗での小売販売が加わります。業態が広がれば広がるほどアニマルオフィスの一元管理の価値は高まると感じており、販売チャネルの多様化にも柔軟に対応できることを期待しています。また、案件ごとの仕様書やデータの保管機能の充実、入金消し込み機能、商品カタログの書き出しなど、アップデートのたびに進化するプロダクトに「必死についていく」状態だといいます。今後もDXの推進によって、日々の単純作業から解放された時間を、商品企画やお客様への提案といった本来の創造的な業務に充てていきたいと考えています。
企業概要
株式会社おさと
2022年1月設立。Tシャツプリント・刺繍加工を手がけるクリエイティブスタジオ「BLUEST」を運営。無地のボディへのインクジェットプリント、シルクスクリーン、DTFプリント、刺繍などの加工に対応する。静岡県静岡市に本拠を構え、代表取締役の山下貴大・長澤拓憧を中心に約6名体制で運営。アパレルブランドや音楽事務所のアーティストグッズ、観光地のお土産Tシャツなど幅広い案件を手がける。

特徴
私たちBLUESTの特徴は、プリント工場の枠に収まらない柔軟なビジネススタイル。OEM(受託製造)にとどまらず、ODM(企画提案型の商品開発)や自社IPを活用した直販ブランド事業まで、一社で多様な販売形態を展開している。年間約600件の取引実績に裏打ちされた「売り手と買い手の気持ちがわかるTシャツ工場」として、デザイン提案から製造、卸売販売までを一貫対応。小ロットから追加生産まで柔軟に受けられる小規模ならではの機動力と、「痒いところに手が届くモノ作り」を強みとする。
代表的な商品・サービス
主力はTシャツ・バッグ・帽子・スタッフウェアなどへのプリント・刺繍加工サービス。アーティストの物販グッズ制作では音楽事務所と直接取引し、ツアーグッズやライブ限定Tシャツなどを手がける。また、全国の観光地向けお土産Tシャツの企画・製造も大きな柱で、取引先にはお土産店や卸売業者が多数。さらに、自社ブランドによるオリジナル商品の直販事業も展開。「HAPPY LIFE WITH TEE」の理念のもと、Tシャツという普遍的なアイテムを通じて人々にハッピーを届けることを目指している。

この記事を書いた人
小野 真彰卸・専門商社向け販売管理システム「アニマルオフィス」を開発する株式会社mobの代表。業務課題の解決に取り組むのが大好きで、エンジニアとしても活動しています。ビールを飲まないのに最近痛風になりました。